弓木あき

Readings|一句鑑賞

弓木あきが読む。

星の窗新樹の窗ととなりあふ/藤田哲史 綿虫や出臍で君は上京す/佐藤のど 血がすこしつながり芋の煮えてゐる/岩田奎 愛されずして沖遠く泳ぐなり/藤田湘子 野を焼いて焼かれて姉妹都市となる/柊木快維 かざぐるまはなれてたべてはたらいて/おおにしなお みづうみにひかりをゆだね避暑期去る/飯田龍太 皮剝きて梨を透きとほらせること/藤井あかり ひあたりの枯れて車をあやつる手/鴇田智哉 永日のきみが電車で泣くからきみが/小川楓子 星月夜刺繍の裏を糸奔り/津川絵理子 だつた手がすみれを撫でまはす他人/横山航路 汗を飼ふ握りこぶしや飼ひ潰す/髙田祥聖 樹とそれに巻きつくものと紅葉せり/髙柳克弘 卒業や夜も空映す水たまり/村上鞆彦 ひだまりのあなたを撮ればどれにも鴨/大塚凱 愛確か芯まで使ふ春キャベツ/中矢温 比喩に飽きここにゆらせばゆれるゼリー/くどうれいん 水音の氷を渡り城の跡/山岸由佳 あるだけの光の中の息白し/川口真理 さくら咲く氷のひかり引き継ぎて/大木あまり 大切なひとが年寄る星祭/藤村真理 秋日傘ふにやりと歌ひだすもよし/榎本佳歩 冬すみれいろのねむりに溺れたし/飯島晴子 喉に咲くすべての花を秋祭/東田早宵 うすらひの端は水とも光とも/奥坂まや 極月の鯊を釣るてふ煙草に火/依光陽子 芹つむや光あそべる橋の裏/正木浩一 どこにゐても虹を教へてあげるから/藤井あかり 星だかゆめだかわからないもの.+:゚+。 .゚・..みえている、? わすればな/おおにしなお 祈つてゐる時間がぼんやりと寒い/大塚凱 雨いつか雪へとあやとりのはしご/佐藤文香 ブルーデージーこころにさきがけて涙/神野紗希 春風にからだほどけてゆく紐か/田中裕明 君といつか杖を突きゆく花野かな/藤井あかり まぶしさの鶴おちてくる北は紺/宇多喜代子 雲を押す風見えてゐる網戸かな/生駒大祐 風船をもらひしよりの手の弾み/杉山久子 をちこちに光逃がして花火かな/野口る理 水を吸ふ凍蝶に紋ありにけり/大木あまり 明滅の滅を力に蛍飛ぶ/正木浩一 夜焚火に金色の崖峙てり/水原秋櫻子